拝見 東京国立近代美術館 所蔵作品展「近代日本の美術」

きょうは近辺の花見客対応か、定休日の月曜だが開館している。雨のなか、すいてるかも?と期待して来館。大人気(たぶん)の企画展「生誕100年 東山魁夷展」はパスして*1、めあての所蔵作品展「近代日本の美術」に直行。
慣れた会場なので、ラクなペースで見て廻れた。所蔵品フロアは混雑もなく、拝見や妄想に集中できる。会期中もう一度、音声ガイドを伴に見たい。以下、楽しかった思い出メモ。次の展示も期待。

明治・大正期の美術 文展開設前後

会場でまず迎えるのは筋骨逞しい男性像。荻原守衛「文覚」「坑夫」。和田三造「南風」被り物、手ぬぐいに注目。中村不折廓然無聖」筋肉質の達磨大師、立像はめずらしい。だが赤い衣と金の耳環は忘れない。
安井曽太郎 「春の家」は好きな画。絵葉書希望。隣りは中沢の「夏」の海辺。梅原龍三郎の洗面器「ナルシス」も再見できた♪ 椅子に坐っている女性像が続く。三点は頬杖、読み書きする女性二点。

明治・大正期の美術 大正のヒューマニズム

川端龍子「慈悲光礼讃(朝・夕)」は持ち帰りたい画。岸田劉生「自画像」はメガネ君。「麗子肖像(麗子五歳之像)」触ってみたい茶色のくせっ毛。

昭和戦前期の美術 都市のなかの芸術家

川口軌外「静物マンドリン)」は構図や色が基本的なところが好ましい。絵葉書希望。ロトチェンコのモノクロ写真♪「デモの見物人」は好きな図、「避難梯子」もいいな。絵葉書希望。季節モノ福沢一郎「Poisson d'Avril(四月馬鹿)」も絵葉書希望。今回の国吉康雄は「村落」。前期の「特集 国吉康雄 寄託作品を中心に」は良かったなー*2「姉妹」とか。藤田嗣治「自画像」もメガネ君。達磨と同じく金の耳環も付属。好きな画、佐伯祐三「モランの寺」は、ミュージアムショップに出来のよい絵葉書あり購入。

特集コーナー 萬鉄五郎

また頬杖物件、萬鉄五郎「裸婦(ほお杖の人)」は椅子に坐った裸婦それも日本髪、和製エマニエル夫人? 平板な着色が吉。

昭和戦前期の美術 日本画・洋画の成熟

初見の寺内万治郎「浴衣」はいいなあ。赤いスリッパ履きでキュウト。絵葉書希望。安井曽太郎「金蓉」と隣接。このコーナーでも椅子に坐った女性像連発。「達磨」二件め、橋本平八。松林桂月「春宵花影図」はミュージアムショップで通信用に絵葉書を購入、今季のうちに出状したい。

戦時と「戦後」の美術

戦争画コーナーでは鈴木亜夫「ラングーンの防空とビルマ人の協力」に従軍看護婦?ナースさんたちも描かれていて、めずらしい。建造物は妙にキリコ風シュールな雰囲気。麻生三郎「自画像」は前企画展「わたしいまめまいしたわ」*3にも展示あり、この時は常設とは違って壁面低い位置に掛けられていて、上からの視点から見ることになり、何だかおもしろく見えた。松本竣介はめずらしく「裸婦」。萬鉄五郎の赤い「もたれて立つ人」と並べて見たい。再び洗面器物件、河原温「孕んだ女」*4は隣りの曹良奎「密閉せる倉庫」と格子で繋がる。岡本太郎「夜明け」と建畠覚造「貌」は突起。

1950-60年代の美術

まず○△□モチーフの作品が並ぶ。奥のガラスケースには加山又造「湖と鹿」、徳岡神泉「仔鹿」、続く壁面には熊谷守一「鬼百合に揚羽蝶*5

現代美術−1970年代以降

第一コーナーは白が基調。第二〜第三コーナーは森〜島〜海。おもしろい構成だった。

*1:帰りに絵葉書一枚購入したが。展のサイトで見て気に入った「窓」。渡仏した洋画家が描きそうな感じの画。

*2:http://www.momat.go.jp/Honkan/Kuniyoshi2008/

*3:http://www.momat.go.jp/Honkan/Self_Other/index.html

*4:浴室シーンだけど、今回見ても〈浴室の美女〉シリーズには入らない……。

*5:さらに猪熊弦一郎の作品も並べたら猪鹿蝶なんだけど。