練馬区立美術館にて

和歌山県立近代美術館所蔵名品展 大正期の異色画家たち」を拝見してのメモ。

展示室-1 日本画

秦テルヲ「吉原の女」は花吹雪のなか赤い日傘(パラソル)をさしている。「安来節の女たち」は簡潔で楽しげな画面。岡本神草「舞妓図」顔貌のぼってりした白さが存在感あり。野長瀬晩花「被布着たる少女」「スペインの田舎の子供」の両画に人形が描かれている。前者には青いパラソルも。徳力富吉郎「人形」は絵葉書でほしい。この部屋の人形はどれも西洋風だった。

展示室-2 版画・油彩等

逸見享の版画「幸福な海女の群」!うす青地に紺色の九人の身体。絵葉書を入手できてうれしい。恩地孝四郎「海の女」は油彩で三人。赤い腰巻きが白い砂岩?と対照的。なぜか近美で見た青木繁「運命」を思い出す。まるで似てないのに。藤森静雄の油彩「花」もあり。
創作版画三羽烏コーナー。田中恭吉、藤森静雄、恩地孝四郎の各10点が興味深かった。見ることができてうれしい。田中の曲線に搦めとられる裸の痩身、藤森の蒼ざめた「太陽は氷ぬ」、しじまの「二つの黙思」「夜のピアノ」などが印象にのこる。

展示室-3 油彩等

木下孝則「猫」が可愛すぎ。座布団の上にまるくなって眠る白地に茶斑の猫。木下雅子「浴後」は〈浴室の美女〉シリーズとしよう。二人の女性、奥の人は鏡にも映っていて、手前の人は左足からストッキング(左右別の膝上丈)をはいているところ。
見たかった佐伯祐三「下落合風景」。洋服の人、黒犬もいる。電柱がポイント。
川口軌外、道化師二人が描かれた「ボヘミアン」の構図配色がカッコイイ。同じ画家の大画面「少女と貝殻」は蛤のイリュージョン版ヴィーナスの誕生か。
高須光治「自画像」は撫で肩で和装、だけどカメラ目線。石垣栄太郎「自画像」にグッときた。白いシャツに黒のスーツ、ビジュアル系の人みたいでおもしろい。赤美潤一郎さんの画を連想した。自画像とほかの作品は雰囲気が違う。「街」には尼さん(シスター)と学士様。絵葉書を購入。
高井貞二「感情の遊離」「想ひを」「煙」が気に入った。

展示室-4 彫刻

太子発見、下村清時「太子像」。

泥濘部屋に掛けたい作品