版画美術館にて


町田市立国際版画美術館で企画展「浮世絵モダーン 深水・五葉・巴水…伝統木版画の隆盛」、常設展示室「版画いろいろ+小特集「ホルストヤンセン 描くことに憑かれた男」を拝見。
企画展は期待どおりの見応えある品揃えで、興味深く見て廻った。江戸時代の浮世絵の役者絵にはあまり引かれないが、創作版画の役者絵は好きだな。橋口五葉、小早川清の美人画、妖艶な橘小夢、フリッツ・カペラリ、エリザベス・キースなど、おもしろかった。小早川清には、縦巻きロールでセーラー服の女学生を描いてもらいたい。美人画の多いなかポール・ジャクレーの展示作品は、1930年代の日本男児には描けない画題だな〜 などと余計なことを思いつつ、作品群の線や色の技巧、洗練・多彩さに感銘を受けた。
「浮世絵モダーン」に連繋して、去年見た千葉市美術館の企画展「日本の版画 1931-1940 棟方志功登場」をもう一度見たい、見たい――。
小特集「ホルストヤンセン」は、見ていて少し手が冷たくなってしまった。
きょうはたっぷり版画分を吸収できた。凡にとっては動物磁気に似た効能があるようだ。
ありがとう、版画美術館。

看板にも小早川清。口唇に紅が着色されていく過程がポイント。浮世絵で初めて見た〈長いツメするどい〉。爪先モダーンだ。凡の中で小早川人気急上昇。