東博にて

先日、東京国立博物館の平成館、東洋館、本館 日本ギャラリーを拝見しての雑感。

親と子のギャラリー「博物館ってどんなところ?:宝もの編 Family Gallery: What is a Museum? Featuring Treasures」(2004年11月9日〜12月26日)平成館 1階企画展示室

博物館=有名な美術工芸作品という括りに入らない、ちょっと変わった物件を展示、紹介。以下、いくつか印象的だったもの。

  • 「博物館門額」町田久成/筆、明治6年(1873)
    • 狭いスペースに掛けられていて、全体像を見づらかった。どうせなら、この額と記念写真を撮れるコーナーを設けてほしかった。
  • 「千両箱」江戸時代・慶応元年(1865)
  • 「小判」江戸時代・17〜18世紀
    • 千両箱の上や周辺に小判を配置。東博より江戸東京博物館でありそうな物件。
    • 展示台に直置きしてあったが、小型の畳を敷いて、その上に置いたら臨場感あったかも。
  • 「化け物カルタ」江戸時代・19世紀
    • コドモは化け物(妖怪)好き?

本館10室「浮世絵と衣装―江戸」の展示作品と関連するものがあったら、こういった日用品的な物件も併置してほしい。

  • 「わら人形」東京都台東区上野公園内採集、明治10年(1877)採集
    • 展示作品一覧を事前にチェックしていて、いちばん気になった物件「呪詛人形」。これに引かれて見に行ったようなもの。一覧表の名称欄には「呪詛人形」と表記されていたが、展示の解説カードでは解りやすく「わら人形」になっていた。
    • 暗がりに置かれたガラスケースに容れられてライトアップされていて、いい雰囲気。
    • 明治時代に上野公園内のイチョウの木に打ち付けてあったものを、館の職員が発見したとのこと。勇気ある当時の職員氏に拍手〜 その後、彼の身に何か起こらなかったろうか…… 展示品を数えると、五寸釘が六本。
    • わら人形ケースの周囲で「霊感の強いかたはご覧にならないほうがいいかもしれません(微笑)」というイントロでトークが行われていた。列品解説が行われていたようだ。大人が数人、聞いていた。
    • デジカメで写真を撮った。もしかしたら撮ったつもりでも何も写ってない、または画面まっ暗になっているかも……と少少不安だったが、ふつうに撮れていた。
  • 「温知図録」狩野勝川・岸雪浦 他/筆、明治10〜13年(1877〜1880)
    • 七宝花瓶、蒔絵箪笥、容器などの図案。花瓶と容れ物の魚介類、蒔絵箪笥の付喪神の図がおもしろかった。「魚の入った籠に見せかけた入れ物」に描かれた魚の顔は「ケロロ軍曹」に似ている。これらの図は絵葉書でほしい。
    • 「温知図録」って、特別展「世紀の祭典 万国博覧会の美術 パリ・ウィーン・シカゴ万博に見る東西の名品」(平成館、2004年7月6日〜8月29日)関連物件か。
  • エラスムス立像」オランダ、1598年
    • 昔“あずき洗いばばあ”の像だと思われていた、ってあんまりな。巻物を手にしているではないの。

北東アジアの美術工芸 朝鮮時代の書画(2004年11月9日〜12月26日)東洋館10室

「蝦蟇仙人図」出陳ということで、喜び勇んで見に行ったのだが。画面と照明が暗くて、ほとんど見えなかった。影絵に近い……
「蝦蟇仙人」(id:kashoh:20040922)に追記。

仏教の美術―平安〜室町(2004年11月16日〜12月19日)本館3室

  • 孔雀明王像」鎌倉時代・13世紀、絹本着色、京都 松尾寺/蔵
    • 明王の目は少し眠そうで横に細長い。対して、まん丸く見開かれた孔雀の目がキュウト。

などなど、今回も楽しく展示を拝見した。