図像分摂取

すっかり欠乏。ゼロを通り越してマイナスになっていた。二月末から今月初頭にかけて補充。

国立新美術館開館記念展「20世紀美術探検 アーティストたちの三つの冒険物語」

http://www.nact.jp/exhibition_special/2006/opening.html
一月下旬にオープンしたばかりの館。こけら落しの展示を拝見。広さと高さのある展示室を鷹揚に使って、前世紀の美術を回顧。美術として何が製作されたかだけでなく、どんな分類や切り口で展示されてきたかが概観できた。国内各地の美術館から集められて、物量品ぞろえとも満足の企画だった。この館で毎年ひとつは、こういった全国大会・大集合的な展示を見せてほしい。

物販

「20世紀〜」関連はカタログのみ。絵葉書は無し……。

ミュージアムショップ

地下にあり。何故ここにヴィレッジヴァンガード(のような店)が? 違和感。

建物

東京都現代美術館のような冗漫さ。行った日は陽射しが強くて目や頭が痛くなった。チケット売場は外にあり、並んで待つときには吹きさらし。利用者に厳しい、真夏には避けたい環境。

東京国立近代美術館「所蔵作品展」「柳宗理 生活のなかのデザイン」

「平成18年度第4回所蔵作品展」後期、小企画「柳宗理」展のプロダクト・デザインを拝見。近美の所蔵品ギャラリーは凡にとって主食(パン)のようなもの(東博の常設展示はご飯)。図像分がマイナスからゼロに近づいてきた。
三月末には企画展「生誕100年 靉光展」がスタート! 楽しみだ。

ブリヂストン美術館「じっと見る:印象派から現代まで」

http://www.bridgestone-museum.gr.jp/
好きな館の所蔵品の展示、こちらも主食系の品ぞろえ。馴染の品や初見の品を、近接して落ちついて眺めることができた。所蔵品展は何度も来ているが、毎回レイアウトが違っていて、展示の順序や隣り正面の作品の組み合わせなども楽しめる。壁面の色で違った感じに作品が映ることも。ちょっとした変化と発見が所蔵品展の妙味。

府中市美術館 企画展「海をこえた出会い「洋画」と「洋風画」」 常設展「みることのよろこび 戦後から現在に至る足跡」

http://www.art.city.fuchu.tokyo.jp/umikoe.htm
企画展は司馬江漢から黒田清輝青木繁まで、所蔵品を中心に「洋画」と「洋風画」の流れを概観。なだらかな好感のもてる展示だった。
常設は日本の昭和美術、作者の言葉と作品を併置。この時代の作品も見慣れてきたので、おもしろく拝見。小山田二郎「手」*1宇佐美圭司「円錐形の内に居ますか、円錐形の内に居ます」がうれしかった。小特集「絵の中の画家 自画像」では古賀春江も登場。笹島喜平(メガネ)のドイツっぽい木版がよかった。
三月後半には企画展「動物絵画の100年 1751-1850 なにを思う、江戸の動物」がスタート! 楽しみだ。

これで

マイナスだった図像分が、ようやくゼロを少し超えた。三月下旬までの企画展を幾つか見たい――けど実行できるかは不明。

*1:てのひら開眼。鶴岡政男の手の画と並べて見たい。