板橋区立美術館にて

館蔵品展「これが板橋の狩野派だ!」を拝見してのメモ。ほぼ毎年恒例の展示で安心して見てまわれる。

第1展示室

英一蝶「一休和尚酔臥図」(飲みすぎですよ、一休さん)。とんちの一休さん長じてヨッパライに。身体もデカくなっている。酒屋?の男の1.5倍くらいありそうだ。酒屋に掲げた杉玉と一休さん右手の払子が対応。
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/art/collection/ntb015.html
狩野常信「西王母図」(長生きしたいよ、西王母さま)。凡の好きな女神・西王母様。この画は引目鉤鼻、日本的な顔貌。

狩野周信「蛤観音図」(蜃気楼の観音さま)

蛤は美人や観音さまを吐くらしい。見たいもの、得たいものを吐く(図中で吐かせる)のか?
ということで凡の三大〈蛤に吐かせたいもの〉は、図書館(明治以降の日本の書籍)、美術&博物館、水族動植物庭園。これらで図像分、動物磁気がバッチリ摂取できる。“蛤よく気を吐いて楼台をなす”という言葉もあるから建造物も可だろう(拡大解釈しすぎ)。もちろん容れ物だけでなく収蔵品も、各施設には軽食甘味を供する喫茶室と絵葉書が充実したショップも完備。
人によってはゼロ戦とその格納庫を吐かせたいとか、ジミヘンと楽器・録音機材一式を吐かせて新譜をレコーディングさせるとか、あるだろう。しかし蛤とジミヘン&機材って絵になるようなならないような。――幻だから何でもアリだ。

第2展示室

狩野典信「大黒図」お馴染(ドデカ大黒)。平均体型日本人の1.5倍くらいの巨漢。デカい顔(当社比 常人の2倍)が画面ほぼ中央に口を開けている。その上にヒゲ、ハナゲも見える。耳は凡が知るなかでは最厚の福耳。上衣はカーキ色、ズボンは白、ロングブーツは黒。
狩野章信「内裏雛図」(お雛さまのヒ・ミ・ツ)。描表装と金の犬筥がポイントの好きな画。犬筥の体色は、これまで金と銀しか見ていない。ほかの色違いはあるのだろうか。
狩野岑信「七福神図巻」(福をよぶ七人衆)。布袋、大黒、恵比寿と唐子たちを見ることができる。恵比寿さま、スリムだな。エビスヤングフィッシングクラブのコドモらと釣果を調べているところか。いちばんの大物を左に抱えている。隣りの唐子は「イエス!タイ!」のポーズ。展示されている部分では、陸上に26唐子、水(舟)上に2唐子が描かれている。唐子って男児ばかりか。同じ年頃(十歳未満)の女児を描いた画ってほとんど見たことがないような。
河鍋暁斎鍾馗二鬼図」(鍾馗の小鬼退治)。見応え迫力ある鍾馗、虎(と鬼たち)――端午の節句も近いな。

お座敷コーナー

靴を脱いで座敷に上がり、三方に立てた屏風を近接して見ることができる。製作時の見かたに近い鑑賞方法。